なぜ最悪の人間ほど成功しているように見えるのか？ ― ニーチェと権力についての真実

 

主人の道徳：強さ、勇気、野心といった価値観に基づく。支配、創造し、世界に自分の意思を主張する能力を高めるもの。承認を求めず、自らの価値を自分で定義します。

奴隷の道徳：抑圧され、力なき者、自分の意思を直接押し通すことのできない人の道徳。強さを唱える代わりに、謙虚さ、従順、自己犠牲を美化する。苦しみこそが崇高であり、権力は本質的に悪です。

しかし、奴隷の道徳は冷酷な人の台頭を防ぐものではありません。むしろ、野心を非難し、権力の追及を恥ずべきものとすることで、道徳を全く気にしない人々の手に権力を委ねてしまうことになります。

気高い心を持つ人々がためらっている間に主人の道徳を受け入れた者達が支配権を握るのです。

重要なのは、ゲームの奴隷になることなく、ゲームを理解することです。最も苦しむのは、単にいい人でいれば十分だと信じている人々です。

公平さは期待するものではなく、私たちが作り出すべきものです。そして、それには力が必要です。

超人とは、状況の犠牲者になることを拒否し、押し付けられた道徳を無批判に受け入れることなく、他人の期待に合わせるのではなく、自らの運命を形作る人のことです。

超人の核心にあるのは、「力への意思」です。服従や罪悪感といった受動的な道徳とは異なり、「力への意思」とは、創造し、変革し、無意味な世界に意味を与えるという自分自身の最も深い本能を受け入れることです。

それは、他人を支配することではなく、自分自身を支配することです。

弱者が恐怖に囚われている間、超人は社会的な幻想から解き放たれ、前へと進みます。

不安から権力を握る暴君や扇動者とは異なり、超人は承認を必要としません。彼らの強さは内側から湧き出てくるものです。

超人は無限のゲームをプレイし、自分自身よりも偉大な何かを築き上げます。彼らは奪うものではなく、創造するものなのです。

権力は中立であり、それを理解する者が最もうまく扱えるということと認識することです。

ほとんどの人は恐怖に支配されています。失敗への恐怖、拒絶への恐怖、孤独への恐怖、しかし、超人は内なる力を用意します。これは不快感を受け入れ、リスクを犯し、反対があろうとも自分の道を切り開くことを意味します。

最も成功した人は許可を求めません。彼らは何もないところに機会を作り出します。

無分別な冷酷さと制御された冷酷さの間には違いがあります。

無分別な冷酷者の権力は創造ではなく、搾取のうえに築かれている。真の超人は創造する。

超人の力は盗んだものではなく、創造したものなので、操作する必要がなくなるのです。

冷酷な者に報いる世界で成功するためには、古いルールで遊ぶのをやめ、公平さを期待するのをやめ、独自の条件で権力を習得し始めた場合に限ります。

ニーチェによれば、権力とは他人を靴で踏みつぶすことではなく、自分自身を超えることであり、現在の限界を超越し、想像以上の自分になることです。