2025年8月11日月曜日

Y.-T. Oh, D.-C. Shin, “Purification and crystal growth of NPB via imidazolium based ionic liquids,” Journal of Crystal Growth, vol. 487, pp. 78–82, 2018.(イオン液体による高純度精製)

 論文概要

研究目的
有機エレクトロニクス材料であるNPB(N,N′-ジ-[(1-ナフチル)-N,N′-ジフェニル]-1,1′-ビフェニル-4,4′-ジアミン)の高純度化と高結晶性化を、従来の昇華法に代わる簡便かつ低コストな溶液再結晶プロセスで達成することを目指した。10.1016-j.jcrysgro.2018.02.019.pdf

実験手法
– スターティング材料として純度82%の低純度NPB粉末を用意。
– イミダゾリウム系イオン液体(C4MIM[TFSI] および C8MIM[TFSI])にNPBを10 wt%で溶解し、100 °Cで完全溶解後、110 °C~170 °Cの各温度で1 h保持して再結晶を誘起。
– 結晶形態観察に in-situ 光学顕微鏡およびSEM、結晶性評価にX線回折(XRD)、純度評価にHPLCを適用。10.1016-j.jcrysgro.2018.02.019.pdf

主要結果
– 再結晶後NPBの純度は82%から最大99.92%へ大幅に向上。特にC8MIM[TFSI]中170 °C処理で最高値を記録。10.1016-j.jcrysgro.2018.02.019.pdf
– XRDでは(111)面のFull Width Half Maximum (FWHM)が0.040°と、エピタキシー薄膜(約0.20°)や複合酸化物単結晶(約0.040°)に匹敵する高結晶性を示した。10.1016-j.jcrysgro.2018.02.019.pdf
– 再結晶温度上昇に伴い平均結晶サイズは9 μm→35 μmに増大し、結晶密度は減少。古典的核生成・成長理論(TTTダイアグラム)に整合する挙動を確認。10.1016-j.jcrysgro.2018.02.019.pdf

意義と展望
– 昇華法では3–5回の工程を要する高純度化を、イオン液体を用いた1回の溶液プロセスで達成。工程短縮と原料効率化により生産コスト削減が期待される。
– 単結晶に近い高品質NPB結晶の得られる手法は、他の有機エレクトロニクス材料にも応用可能であり、デバイス性能向上や有機材料の本質的特性評価に寄与すると考えられる。

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