昔のMTBはフルリジッドだったので、バランスのとり方が難しかった。イメージとしては、自分の体の下でBBを起点にしてMTBが自由に動く感じ。あくまでもイメージなので、実際は体が動きについていかなくて、ロデオみたいになることも多々ありました...
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題名:Separation of the sp3 and sp2 components in the C1s photoemission spectra of amorphous carbon films
著者:J. Diaz, et. al.,
DOI:doi.org/10.1103/PhysRevB.54.8064
論文採択日:1995.12.18
概要:2種類のアモルファスカーボン膜をPLDでシリコン基板に蒸着し、その硬さはそれぞれ22GPa、40Gpaであった。この膜に対してXPSによってC1sピークを測定したところ、284.3±0.1eV、285.2±0.1eVのピークに分かれ、これらはそれぞれ、sp2-C、sp3-Cと同定された。これから推定されるsp3の割合を推定したところ、硬い膜では2/5、柔らかい膜では1/4であった。次に硬い膜を異なる温度でアニールしたところ、900Kまではsp2とsp3の割合を保っていたが、1100K以上になるとsp3の割合は減少した。また、900K以上のアニールではC1sピークが0.3±0.1eV程、低結合エネルギー側にシフトした。このピークシフトはC1sピーク非対称性の変化とUPSにおけるフェルミレベルでの状態密度の変化に相関がみられた。sp2-C原子やπ結合が存在しているにも関わらず、900K以下の硬い膜でπプラズモンが確認されなかった。
・成膜条件
表1:PLD(波長523nm)で成膜したアモルファスカーボン膜 HP: High Power,(1010W/cm2) LP:Low Power(~109W/cm2)。膜厚500Å。
・測定条件
ベースプレッシャー:5×10-11mbar。Mg-KαX線(hν=1253.6 eV)、HeI(hν =21.2eV)、HeII(hν=40.8eV)XPS分解能0.8eV, UPS分解能0.4eV。
図1:HP a-C, LP a-C、及びグラファイトにおけるC1sピークの比較。FWHMで比較するとHOPGで1.1eV、HP、LPでそれぞれ1.9eV、1.8eVとなる。
図3:C1sとπプラズモンエネルギーロスピーク。グラファイトとLPにおいてプラズモンピークはC1sピークから6.4eV結合エネルギーが深い側に観測される。HPでは、900K以上においてのみ観測される。
図4:複数温度でアニール後のHP a-C1に対するHeII UPS。グラファイトのスペクトルは参考文献15から引用(hν=45eV)。3eVのところに観測されるΠ結合ピークはアニール温度が上がると増大するが、この傾向は900Kで止まる。・結果と考察
a-CのC1sピークフィッティングについて、ローレンツ関数は215meVに固定、ガウス関数は1.25eVを用いた。また、サンプル温度が上がるにつれてsp2ピークについては1300Kで1.2eV、1450Kで1.1eVとガウス関数の幅を狭めた。尚、sp3ピークについては幅を変えていない。また、sp2ピークについては、Donic-Sunjic関数を用いて、非対称性パラメータαを導入した。このαはフェルミレベルでの電子状態密度に関係し、グラファイトや芳香族のC1sピークを表現する際に用いられる。HOPGグラファイトにおいてαを測定したところ、0.14であり、参考文献20や23と一致する。また、Chenによる値0.075よりは大きい。Mn Kα線励起によるピークの非対称性がαの絶対値が不一致となる原因となっている。MnKα線自身の非対称性は一定なので、スペクトル間のαについて相対的な変化のみを見ればよい。
C1sピークのフィッティングについては5つのパラメータを用いた。それは、sp2とsp3ピークそれぞれの結合エネルギーとピーク幅、そしてsp2ピークにおける非対称性パラメータである。Fig.1.においては、a-Cフィルムのαの値はHPでは0.11±0.01、LPでは0.19±0.01となる。sp3の結合エネルギーの位置は参考文献13より0.2eV大きくなっている。
sp2及びsp3ピークの結合エネルギー、sp3-Cの濃度、非対称性パラメータについてFig.6に示した。
図6:HP a-C膜におけるsp2及びsp3ピークの結合エネルギー、sp3-Cの濃度、非対称性パラメータαをグラフにしたもの
これによると、HP a-Cにおけるsp3の割合は40%となっており、LPの場合の2倍に及ぶ。これは定性的にはHP a-Cの方が表面硬度が高いことと一致する。また、sp2とsp3間のエネルギー差は0.9eVとなっており、これも以前の報告と一致する。エネルギー分解能がどの程度影響を与えているかはわからないが、C1sのピークシフトは以前のものより0.2から0.3eV程大きい。
また、室温から1000Kにまで温度が上がるとsp2ピークが0.3±0.1eV低結合エネルギー側にピークシフトしている。これは帯電効果で示されたものではなく、UPSにおいても同様のシフトを起こしている。更に同様のシフトが光学ギャップを持たないLP a-Cにおいても観測されている。この0.3eVのピークシフトはフェルミ準位での電子状態密度の増大そして非対称性パラメータαに関係している。このC1sピークシフトとフェルミ準位の状態密度の関係はC1sピークシフトが励起された炭素原子の電荷緩和の変化によるものであるということを可能なものにしている。
アニールしたa-CにおけるC1sピークシフトはグラファイトより低エネルギー側に0.3eV小さく、これはフェルミ準位での状態密度がアニールしたa-Cの方がグラファイトより大きいことを示す。もし、グラファイト層が作られるより高い温度でアニールされれば、層間距離が縮まり、sp2によるsp3の代用がa-C膜の中で起こるであろう。これが起これば、基板面内で膜が膨張するので膜内応力が高まる。プロファイルメーターを使って基板の反りを測定したところ、a-Cの膜内応力が室温では2~5GPaであったところ、1300Kにアニール後では、30GPaにまで増加していた。30GPaに及ぶ膜内応力により層間距離が縮まり、このことによって電荷密度が増大する。アニールしたa-Cのフェルミ準位で状態密度が増大する第2の理由は層内での結合状態が無秩序(bond disorder)になることである。ガウス関数の幅がHOPGでは0.8eVなのに1300Kにアニールしたa-Cでは1.2eVになることより膜内にbond disorderがまだ存在していることを示す。例えば、六員環の代わりに5原子によるリングができて、その電子がフェルミ準位に存在する。
最後に900K以下のHP a-Cスペクトルにおいて、sp2結合やπ結合電子の存在がXPSやUPSから証明されているにもかかわらず、πプラズモンが欠損していることに言及する。この理由はdisorderによって生じたπ電荷が局在化していることに起因しているかもしれず、このことは半導体的な性質を持つこれらのフィルムが相対的に低い非対称性パラメータの値を持つことと辻褄があっているかもしれない。しかしながら、半導体a-Cにおいてπプラズモンの欠損は一般的な話ではないかもしれない。というのも、HP a-Cより大きな光学ギャップを持つ水素化a-Cにおいてはπプラズモンが観測されているからである。a-Cフィルムにおけるπプラズモンの強度とエネルギーはおそらく、π軌道やlocal disorderを形成するp軌道との重なりが関連しているかもしれない。以下の2つの理由からdisorderはπプラズモンの強度に影響を与えているかもしれない。1つ目:グラファイトと比較して、p軌道との重なりが減少しているかもしれない。2つ目:グラファイトと比較して励起状態が短いためにスペクトルの幅が広くなっているのかもしれない。
題名:Direct evaluation of the sp3 content in diamond-like-carbon films by XPS
著者:P. Merel, et. al.,
DOI:doi.org/10.1016/S0169-4332(98)00319-5
論文採択日:1998. 5. 23
概要:異なるレーザー強度を使って作成したPLDのDLC膜に対してXPS C1sピークを測定した。そのC1sピークを284.4eVと285.2eVの結合エネルギーを有するsp2ピークとsp3ピークに分離して、膜中のsp3炭素濃度について評価した。レーザー強度を0.9×108から7.1×108 W/cm2に変化させるとsp3炭素濃度が33%から60%にまで増加した。これらXPSの変化と比較するためにC-KLL励起を使ってX線励起オージエ分光(XEAS)を測定したところ、両者は異なるレーザー強度に対するsp3濃度変化に対して定性的に同様の変化を示した。XPSの方がsp3濃度が高い傾向を示すが、これらの違いは角度分解光電子分光の結果から示されている通り、表面にsp2炭素が多く存在することが原因である。XPS炭素1sピークの分析は水素化されていないDLC薄膜におけるsp3成分の評価に対して単純で直接的な手法であることが示された。
・実験条件
成膜装置:KrFレーザーによるPLD。熱分解グラファイトターゲット(純度 99.999%)。入射角45°、基板距離4cm
成膜基板:1インチのSi(100)基板。チャンバー内において300℃で15分加熱してから冷却後成膜。膜厚300nm。
分析装置:VG ESCALAB 220i。単色化Al-Kα光源(hν = 1486.6 eV)。パスエネルギーは20eV(XPS)、100eV(XAES C-KLL)。分解能は0.6eV(Ag 3dピークから計算)。表面の酸素は3%以下、水素は1%以下(ERDで測定)
図1:XPS C1sピーク。参照用にPECVDダイヤモンドとグラファイトターゲットのデータも加えてある。レーザーの出力が増えるとsp3成分が増加している。尚、一般的なXPSデータとは異なって、この図では左から右に結合エネルギーが深くなっている。DLCにおけるC1sピークの全値半幅は1.6eVとグラファイト(0.6eV)、ダイヤモンド(1.0eV)より広くなっており、ピークが2成分から成っていることを示している。
図2:C1sピークの分離。ピークの表現についてはガウシアンとローレンチャンを使い、バックグラウンドにはシャーリー型を使った。フィッティングの結果 sp2ピークは284.4±0.1eV(FWHM=1.00±0.05eV)、sp3ピークは285.2±0.1eV(FWHM=1.10±0.05eV)となった。加えて、表面の残留酸素に依存するC-Oピークを286.5eVに追加した。
図3:Fig.2の方法で割り出したsp3炭素の濃度をレーザー強度を横軸にとってグラフにした。レーザー強度が上がるにつれ、sp3炭素は33%から60%弱にまで増加した。
図4:XAESにおけるC-KLLピークを1階微分したもの。sp3炭素の濃度はダイヤモンド(sp3-C 100%)とグラファイト(sp2-C 100%)のD値を使って補完した。
図5:XAESスペクトルから計算したsp3-C濃度。レーザー強度が上がるにつれてsp3-C
題名:Change in Spectrum of Ionic Liquids Exposed to 2.45GHz Surface Wave Plasmas
著者:Makoto Miyagishi, et. al.,
Journal:J. Plasma Fusion Res. SERIES, Vol. 8 (2009) 608
論文採択日:2009.1.24
概要:イオン液体に表面波プラズマを10分間当ててラマンスペクトルを測定した。このプラズマ照射によってイオン液体が変化し、イオン液体中に共役炭素が発生していることが分かった。
table 1:
(1)1-hexyl-4-methylpyridinium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide
(2)1-butyl-1-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide
(3)trioctylmethylammonium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide
Fig.1:
table2:
Fig.2:
Fig.3
題名:令和元年度 特許出願技術動向調査 結果概要 3Dプリンタ
著者:特許庁
公開日:2020.4
図1:技術俯瞰図(全体工程構成)
図2:技術俯瞰図(詳細要素技術と応用産業)
図3:3Dプリンタ関連の世界市場規模。調査会社IDC調べ、2016年6月のCMCリサーチをベースに2019年版の情報を基にNSRIが作成。本文中では3Dプリンタ本体と材料で市場の2/3を占め、今後は材料が伸びていくと予測されている。
3Dプリンタの世界シェア(出典:セカプリ 2017.01.04「アメリカの市場調査会社が2016年のデスクトップ3Dプリンタの出荷台数が27%増加と発表」)
・パーソナルタイプのデスクトップ型 1位:XYZプリンティング(台湾)22% 2位:ウルチメーカ(オランダ)9% 3位:M3D(米国)7% 4位:フラッシュフォージ 6%(中国)
・工業用ハイエンドのデスクトップ型 1位:Stratasys Ltd.(米国)35% 2位:EOS GmbH(ドイツ)19% 3位:3D Systems(米国)10% 4位:SLM Solutions(ドイツ)6% 5位:Concept Laser(ドイツ、現GE)5%
リンク元に当たってみたところ、アメリカの市場調査会社コンテクストによる調査で、2016年の3Dプリンタの全世界出荷台数が217,073台でそのうち96%がパーソナルタイプ、残りの7,726台が工業用ハイエンド機種とのこと。個人的には2020年の報告に載せるにはデータが古すぎるのと、2020年現在では台数も増え、特に中国製のものが増えているのではないかと思う。
図8:出願先・地域別-出願人国籍・地域別出願件数収支(2012 - 2017 合計32,500件)
図9:出願人・地域別ファミリー件数(課題に関するもの) 日米欧は「造形物の特性向上」に関するものが多く、中国は「生産性・形状」に関するものが多い。
図10:出願人国籍・地域別ファミリー件数(当該特許の主たる技術内容に関するもの)
図12:出願人国籍・地域別ファミリー件数(付加製造方式に関するもの)
図13:出願人国籍・地域別ファミリー件数(造形対象に関するもの)
図14:出願人国籍・地域別ファミリー件数(データ形式等に関するもの)
題名:X-ray photoelectron spectroscopy:Towards reliable binding energy referencing
著者:G.Greczynski and L.Hultman
DOI:doi.org/10.1016/j.pmatsci.2019.100591
論文採択日: 2019.7.30
概要:XPSによる論文は年に9000報を数え、表面科学において結合状態を決定づけるためになくてはならないものになっている。しかしながら、結合エネルギーの基準を決めることはその標準がないことから、大変分かりにくいものとなっている。XPS測定の初期においては、大気にさらされる表面に付着した炭素を使って結合エネルギーの標準することが一つの方法であった。今日においてもその付着炭素の起源や構成が明確でないにもかかわらず、全ての測定試料に対して多く用いられている。本研究では、この付着炭素のC1sピークによる結合エネルギーの補正が恣意的であることを示し、これによって不正確なスペクトル解釈や本来とは逆の結果、そして同じ化学結合状態であるにも関わらず結合エネルギーが唯一ではなく、ある範囲に渡って報告されていることを明らかにし、このような事態を警告する。この論文の目的は史実に基づく展望を以てXPSのなすところの評価、測定手法の提供、そしてC1sピークを参照することの根拠の薄い作り話を示すことによって、近年の発見に対して理解可能な説明を提供することである。毎年、膨大な量のXPSが報告されるために不適当な結合エネルギーの参照が導かれている。我々の意図はこの60年間に報告されている問題に関して大きくなりつつあるXPSのコミュニティーに対して自覚を促し、C1sによる結合エネルギーの参照方法に対する最適解を先導することである。
Fig.22:論文で報告されている付着C1sピークの結合エネルギー位置。年代を経るにつれ、そのエネルギー位置の報告幅が広がっており、ISOで規定されているC1sの範囲を超えてしまっている。
RitcheyのMTBフレーム「Ultra」。昔も同じ名前のフレームがあって、なかなかかっこいいなと思っていたら、Lサイズで2.57kgもあるらしい。
1995年のリッチーカタログからP-20。当時すでにサスペンションフォークは普及していたが、リッチーはまだリジッドフォークで頑張っていた。(Retrobike.co.ukから引用)
これがオリジナルのリッチー・ウルトラです。(これもRetrobikeから引用)
題名:A new asymmetric Pseudo-Voigt function for more efficient fitting of XPS lines
著者: Martin Schmid, et. al.,
DOI:DOI 10.1002/sia.5521
出版日:2014.6.2
概要:非対称なピークを扱う際にはエネルギーに依存したPseudo-Voigt関数を用いられるが、XPSピークを扱うには不十分である。そこにシグモイド曲線を加えることで、XPSピークの裾を扱いやすくなる。
題名:Argon atoms insertion in diamond: New insights in identification of
carbon C 1s peak in X-ray photoelectron spectroscopy analysis
著者:Jean-Francois Veyan
DOI:doi.org/10.1016/j.carbon.2018.03.053
公開日:2018.3.22
概要:単結晶、多結晶ダイヤモンド、及び、グラファイト膜におけるXPS C1sピークを調べた。特にC1sピークにおけるsp2-Cとsp3-Cの結合性について調べた。
・試料
ウルトラナノクリスタルダイヤ(UNCD)
ナノクリスタルダイヤ(NCD)
マイクロクリスタルダイヤ(MCD)
単結晶ダイヤ(SCD)
グラファイト(黒鉛)
・実験条件
XPS分析装置:Versa Probe II ベース圧力 4×10-8Pa、光源:単色化Al Kα線、測定領域 200×200μm2、パスエネルギー23.2eV、測定ステップ0.2eV (CSDのみ0.1eV)
・実験結果
Fig.1:XPSにおけるC1sピーク。左から(a)UNCD、(b)NCD、(c)MCD、(d)SCD、(e)グラファイト。青いピークと赤いピークはそれぞれ、アルゴンスパッタリング(1kV)の前後。(a)から(d)にかけては、スパッタ前と比べて、スパッタ後ではピークが2つに分かれている(CDとCD-Ar)。一方、(e)においてはピーク形状がほとんど変わっていない。
Fig.5:Fig.4におけるC1sとAr2pのピークエネルギー差を横軸にアルゴンスパッタの加速電圧を取って表したグラフ。加速電圧が上がると、エネルギー差は小さくなっていく。
Fig.8:XPSのピーク面積から求めた最表面におけるアルゴンの割合。加速電圧に応じて増えていくが、加速電圧2kVで2%となり、飽和する。