1.基準が先で作業は後:天秤はものを運ばない、だが、重さの差を可視化する。基準があれば、やるべきことが定まり、今まで「義務」として見ていたものが「選択肢」に変わる。選択肢に変われば、不要なものを捨てたり、取り組む順番を組み替えたりできる。
2.分解して影響だけ残せ:目の前の用事は1かたまりにみえるが、全てが必要な部分ではない。結果に影響のない部分は不要な部分だ。そのため1つの仕事を5つ以内の部品に分けて、部品ごとに確認する。それで、結果に影響のない部品は脇に置く。
3.割り込みは入口で裁け:割り込みは常に緊急の顔をして現れる。緊急は重要に似ている。似ているから判断が遅れる。判断が遅れるととりあえず受けてしまう。受けた瞬間に基準が弱まる。そこで、基準(入口)を1つにする。入口が1つであれば、判断も1つになり、迷うことがなくなる。誠実さを速度で示そうとする者がいる。だが、誠実さは速度ではない。結果を守ることだ。基準を犠牲にして受けた割り込みは次の割り込みを呼ぶ。
4.小さな点で全体を動かせ:重要なものはだいたい重く見える。重く見えるものから手をつけると進んだ感覚は得やすい。しかし進んだ感覚と結果が動くことは別ものだ。問題を扱うときは全体を押さずに支点を探す。支点とは、少しの変化で全体の形が変わる点だ。
5.期待値で迷いを小さくせよ:不確実な場面で確実な答えを探さずに期待値を考える。期待値とは、結果の大きさと起こりやすさを合わせて見る方法だ。これを使うと完璧ではない状況でも判断でき、判断ができれば、動き始める。
6.関係をゲームとして整理せよ:必要な仕事が君だけの努力で完結しないことがある。他者がいる。期待がある。誤解がある。そして協力と競争が混ざる。ここで思考が乱れやすい。ルールが見えれば、次の一手は静かに決まる。ルールが見えなければ、相手の表情を読もうとして疲れる。
7.終わらせる条件を先に決めよ:終わらない作業は静かに生活を占領する。終わらない原因は能力ではない。多くの場合、完了の条件が存在しない。条件がないといつでも改善できる。そこで、完了の条件を1つ作り、それを満たしたら作業を終える。それ以上の案件として切り分ける。