この論文では、イオン液体と気体との表面構造について以下のような知見が示されています:
1. X線反射率測定により、イオン液体の気体/液体界面に単分子長程度の高電子密度「層」が形成されていることが明らかになった。
2. この層は、低電子密度層(ブチル鎖に対応)と高電子密度層(イミダゾリウム環とアニオンに対応)からなる"two-box model"で説明できる。
3. カチオンのブチル鎖は気体側に向けて配向し、傾き角は約50度である。
4. アニオンの種類によって、カチオンとの相対位置が異なる。例えばI-はイミダゾリウム環の下方に位置する。
5. アルキル鎖長が長くなると(n≥7)、隣接カチオンのアルキル鎖同士が相互作用し始め、高秩序膜形成への兆しが見られる。
6. [C4mim][OTf]の場合、アニオンはCF3基を気体中へ、SO3基をバルク中へ向けて配向している。
7. [C4mim]PF6の気体/液体界面では、数nmオーダーのナノ結晶が表面を約5%覆っているという表面結晶化現象が発見された。
これらの結果から、イオン液体の気体/液体界面では、カチオンとアニオンが特徴的な配向をとり、複雑な表面構造を形成していることが示されています。
[1] https://ppl-ai-file-upload.s3.amazonaws.com/web/direct-files/43661127/1effc661-90e5-4934-bf1f-f7184d22fb59/ionYe-Ti-noBiao-Mian-Jie-Mian-Gou-Zao-_2013.pdf
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