2020年12月24日木曜日

文献紹介:Argon atoms insertion in diamond: New insights in identification of carbon C 1s peak in X-ray photoelectron spectroscopy analysis

 題名:Argon atoms insertion in diamond: New insights in identification of
carbon C 1s peak in X-ray photoelectron spectroscopy analysis

著者:Jean-Francois Veyan

DOI:doi.org/10.1016/j.carbon.2018.03.053

公開日:2018.3.22

概要:単結晶、多結晶ダイヤモンド、及び、グラファイト膜におけるXPS C1sピークを調べた。特にC1sピークにおけるsp2-Cとsp3-Cの結合性について調べた。


・試料

ウルトラナノクリスタルダイヤ(UNCD)

ナノクリスタルダイヤ(NCD)

マイクロクリスタルダイヤ(MCD)

単結晶ダイヤ(SCD)

グラファイト(黒鉛)


・実験条件

XPS分析装置:Versa Probe II ベース圧力 4×10-8Pa、光源:単色化Al Kα線、測定領域 200×200μm2、パスエネルギー23.2eV、測定ステップ0.2eV (CSDのみ0.1eV)


・実験結果

Fig.1:XPSにおけるC1sピーク。左から(a)UNCD、(b)NCD、(c)MCD、(d)SCD、(e)グラファイト。青いピークと赤いピークはそれぞれ、アルゴンスパッタリング(1kV)の前後。(a)から(d)にかけては、スパッタ前と比べて、スパッタ後ではピークが2つに分かれている(CDとCD-Ar)。一方、(e)においてはピーク形状がほとんど変わっていない。

 

   
Fig.4:SCDに対してArイオンスパッタリングを繰り返していった時のC1sとAr2pピーク。上から下にかけて加速電圧を加えながら、Arスパッタを重ねていく。C1sとAr2pピークの結合エネルギーシフトが連動していることが分かる。
 


Fig.5:Fig.4におけるC1sとAr2pのピークエネルギー差を横軸にアルゴンスパッタの加速電圧を取って表したグラフ。加速電圧が上がると、エネルギー差は小さくなっていく。


Fig.7:アルゴンイオンスパッタを行ったSCDに対して、RBS(ラザフォード後方散乱)のスペクトル。どちらもアルゴンピークが検出されている。左側の#2、右側の#1はアルゴンスパッタを行ってから、それぞれ6ヶ月と2週間後。

Fig.8:XPSのピーク面積から求めた最表面におけるアルゴンの割合。加速電圧に応じて増えていくが、加速電圧2kVで2%となり、飽和する。

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