IV.TIMING AND PROVENANCE INFORMATION-WHEN TO MAKE A MEASUREMENT AND INFORMATION TO RECORD
ナノ粒子の性質は、合成経路や試料の保管や、取り扱いに影響を受けるので、測定のタイミングはXPSを測定に関連してくる。典型的な測定タイミングは以下のとおり。(a)合成してすぐに測定し、粒子の本質や合成経路と矛盾しないかどうかを確認する。(b)試料処理中に測定し、汚染や、表面機能性について確認する。(c)試料状態を確認するために応用処理に使う前。ナノ粒子において試料合成、貯蔵、取り扱い履歴の潜在的な影響があるので、ナノ粒子の履歴、評価のタイミングやその詳細に関して情報を保存しておくことは重要である。この履歴は時として「履歴情報」として呼ばれ、ナノ粒子や他のナノ材料の性質を保証するうえで重要な要素となる。記録の一部分や再現性を保証する一部分として、これらの情報はXPS測定の情報(データやパスエネルギー、感度、透過関数に関する情報)と同様に重要である。
V.SAMPLE PREPARATION
試料を破壊したり、変化させずに測定するために必要となる準備の全体像を図1に示す。場合によっては、試料の変化を最小にする、もしくは変化しないようにするために制御された環境で試料を取り扱うことが必要不可欠となる。
重要な問題は溶液に分散した粒子の場合で、というのも多くの粒子がイオンや有機分子の混合物に囲まれているからである。これら粒子から、溶液からの汚染を最小にし、表面のコーティングを保持したまま、溶液を取り除くことに取り組む必要がある。一連の処理は有効性の程度が異なって利用される。これらの多くはISO 20519-4として要約されており、表面分析のためのナノ粒子の準備という章には他の関連した試料処理手順によってナノ粒子を準備するためのいくつかの例が記載されている。
図1に示すように粒子は溶液、もしくは粉末となっている。分析方法に応じて、試料を清掃、洗浄する必要や、溶液に入れたり、基板上に展開したりする必要がある。幸いなことに、多くのXPS測定にとって図1(b)のように山状(粉末)の状態で十分である。分析対象(i)、(ii)と(iii)にとってナノ粒子からの信号を検出するために基板全体をナノ粒子で覆っておくことは重要である。単球モデルの限界と試料準備の用例についてセクション6で議論する。多くの場合、ナノ粒子に対して複数の分析を行うことが望ましく、図1に示したように多くの試料形状に対して同様の処理が必要かもしれない。
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